さつま町で地域おこし協力隊制度を活用した「地域プロジェクトディレクター」を募集します!-後編-

前編では、募集を担当するさつま町商工観光PR課の下麦大志さん、さつま町地域おこし協力隊の盛岡えりかさんからお話を伺いました。

後編では、まちを盛り上げるために様々な活動をされている堀之内酒店』の堀之内力三さんと農家そばヤマサキ』の髙橋由記子さんのお二人から、まちに対する想いや募集される皆さんに対するメッセージ等を伺いました。

『地域プロジェクトディレクター』に関する詳細はこちらから。

<インタビュー:堀之内酒店:堀之内力三さん>

続いて、『堀之内酒店』の堀之内力三さんからお話を伺いました。

堀之内酒店 堀之内力三さん

足元から行動すること

(Q 現在のお仕事をされた経緯は?)

堀之内さん:学生時代にずっとレスリングをやっていたので、社会人になってからは『鹿児島レスリングクラブ』という道場を仲間と発足し、子供たちにレスリングを教えていました。その後、父が亡くなり、3代目として『堀之内酒店』を継ぐことになったんです。

まずは、パソコンや本を買って今の酒店の現状を調べました。当時は焼酎ブームといわれている時期で、人気だったお酒は蔵元と厚い信頼関係を結んで取引をさせてもらうものばかりでした。

『堀之内酒店』では昔ホウキ等の日用雑貨を多く取り扱っていたため、焼酎はほとんど販売していませんでした。だから、焼酎を販売したいと蔵元に連絡をしても取引ができなかったんです。継いだばかりだったということもあって、誰も私のことを知らなかったのですから。

そんな時に手を差し伸べてくれたのは『小牧醸造』の皆さんでした。そこで蔵元に2週間研修に行かせてもらったのですが、実際に焼酎造りをしたり、農家さんや社員さんと話をしたりしているうちにあることに気づいたんです。「お酒づくりの背景には色々な人がいて、想いがあって、たくさん苦労があるんだ」って。

そういう蔵元で造り手の人たちと飲むお酒は本当に美味しいなと感じました。お酒の背景を伝える仕事なら酒屋でもできるし、そこからスタートしていこう。そう思い、今の仕事をスタートさせました。

(Q お店としてどのような取り組みを?)

堀之内さん:まずは、さつま町の焼酎からしっかり売ろうと始めました。町内の飲食店を1軒ずつ回り、焼酎ができる背景や味について宣伝して回ったのですが、最初はあまり興味を持ってもらえなくて…。

そこで、「地元の焼酎は自分たちが造っているんだ」と意識を持ってもらうように、芋の苗を植えていく過程からお酒を作っていくことにしたんです。焼酎の愛飲家の方々やそこから広がっていたご縁で組織を立ち上げ、『小牧醸造』のサポートで焼酎を作りました。

自分たちが地元でできることをとにかく足元から行動すること。そうすることで色々な蔵元から声がかかるようになり、お店で色々なお酒を取り扱えるようになったんです。

酒屋はお酒を売る場所ですが、蔵元さんと一緒になって汗を流していくことも蔵元さんを支えていくに繋がると感じました。これまでの活動を通して、さつま町で作ったお酒に対して愛着をもつ人たちも増えたと思います。

お互いに支え合い、褒め合う精神

(Q さつま町に対して感じていることは?)

堀之内さん:町外の人とさつま町の話になるとパッとイメージが出てこないなと感じています。だから、さつま町に対するイメージを強く持ってもらいたいです。酒店で仕事をしていくうちに人との繋がりができ、色々な人に助けられて、私はどんどんこのまちが好きになっています。

でも、「さつま町って何もないよね」と言葉にする人もいるのも事実です。そんな中でもまちの魅力や価値を高めよう思い、酒屋を通して活動をしてきた自負はあります。

最近だと、事業者の枠を越えて色々な人と手をとり、まちの価値を上げていけるような活動を役場の人たちと連携できていて、今まで以上にこのまちを自慢したくなる気持ちが高まってきているんです。

(Q 地域プロジェクトディレクターに対してサポートできることは?)

堀之内さん:『薩摩のさつま』で集まっている仲間たちは『支え合う・褒め合う』をチームの理念として掲げてまちを盛り上げるために日々活動しています。1つでも支え合い褒め合うことで、どんどん輪が広がっていき、1つのまちのブランド力を上げていくことだと思っています。

就任した際は、遠慮なくそんな自分たちを頼ってほしいです。実際、縁もゆかりもない土地で住んで働くことは不安があると思うんです。私たちもですが、一人じゃ何もできません。だからこそ、コミュニケーションをとりながら、お互いに支え合い、褒め合って、楽しく活動していきたいです。

<インタビュー:農家そばヤマサキ・髙橋由記子さん>

最後に、『農家そばヤマサキ』の髙橋由記子さんからお話を伺いました。

農家そばヤマサキ 髙橋由記子さん

お客様も自分も楽しめるように

(Q 現在のお仕事をされた経緯は?)

髙橋さん:9年前に広島から鹿児島へUターンしました。その時は自分でお店をしようと考えていませんでした。父と弟が農業をしていていたのですが、小麦や蕎麦を作っているのをみて、小麦を使ってビザを出そうと思い、さつま町でカフェを始めたんです。その後、試行錯誤を繰り返し、最終的に蕎麦屋に落ち着きました。

お客様には「安くて、美味しくて、お腹いっぱい」になってもらうことを日々目指しています。また、蕎麦粉だけではなく白米や雑穀も父の農場でとれたものを使用しています。

そして先日、お店を始めてから5周年を迎えました。カフェ時代の経験も活きていて、メニューの盛り付け方やSNS等を活用したお店の情報発信等で色々なお客様に来ていただいています。

(Q お店としてどのような取り組みを?)

髙橋さん:さつま町で開催されている『さつまdeまちゼミ』の実行委員をさせてもらっています。基本的に普段の営業だと、調理場にいるため、ほとんどお客様と接点がありません。だから、お客様とコミュニケーションがとれる唯一の場が『まちゼミ』なんです。講師としても参加していて、玉子焼きの作り方講座や他の店舗と共同で手巻き寿司作り体験講座を企画しました。

また、『まちゼミ』の期間中は自分の中で「チャレンジ期間」にしようと決めています。まちゼミで理想通りの結果が出なかった場合でも、自分に新しい力を身につける事で次に繋がるからです。最近だと、パソコンでズームの使い方を覚えました。今後もお客様にとっても、私にとっても、楽しめる『まちゼミ』にしていきたいと思っています。

※まちゼミとは・・・各商店の店主やスタッフが講師となり、プロならではの専門的な知識、技術やコツを受講者に教える地域活性化事業。

さつま町は、ちょうどいいサイズ感

(Q さつま町に対して感じていることは?)

髙橋さん:さつま町はいいまちだと思っています。最近は移住してくる人も多いです。ただ、逆にまちから外に出ていく人も多くて、人口は減りつつあります。それでも、さつま町はちょうどいいサイズ感だと思っていて、自分でやりたいことが実現しやすいところが良い点だと感じています。人口規模の大きいまちだと自分の声も届かない可能性もありますし。

私自身、さつま町のことについてまだまだ知らないことだらけです。温泉が有名で質は良いのに、地元ということもあって頻繁には利用していなくて…。もちろん多くの方に温泉も飲食店も日常的に利用してほしいですが、それは事業をしている私たち自身の努力次第だと思っています。最近だと、『さつま応援商品券』の効果もあり地元の方の利用も増えているので、この機会を活用し地元の方にもまた来てもらえるように皆で頑張っていきたいです。

(Q 地域プロジェクトディレクターに対してサポートできることは?)

髙橋さん:悩んだ時は相談に乗ります。お二人の力が発揮できるようにアドバイスしますし、逆に私にも何かあればアドバイスしてほしいです。頑張っている人を応援したいし、私のことも応援してもらいたい気持ちもあります。人の得意・不得意の部分はそれぞれ違うので、お互い助け合っていけたら嬉しいです。

就任当初は色々な場に顔を出して自分のことをアピールした方がいいと思います。そうしていくうちに、まちの方から「地域プロジェクトディレクターのあの人がいるよね」と頼ってもらえるかもしれません。コミュニケーションは大事です。

そこで生まれる信頼関係があるとないとでは住む上でも仕事をする上でも不便さが変わってきます。私も携わっている『まちゼミ』のメンバーを紹介したり、一緒に何かできたりしないかなと思っています。まちを盛り上げるために一緒に頑張り、盛り上げていきましょう。

以上、さつま町で盛り上げるために様々な立場で奮闘されている方々の声をお届けしました。

さつま町は行政や民間、さらに民間の中でも事業者同士の垣根を越えて、まちを盛り上げていくために、多くの方が想いを持って日々動かれていることを感じました。

色々な人と手をとり、前に進んでいくことは簡単なことではありません。時には心が折れそうな時だってあると思います。

それでも、『薩摩のさつま』の理念である「支え合う、褒め合う」精神は、さつま町の皆さんの覚悟と仲間を思いやる優しさを非常に感じられるものでした。

今回募集する『地域プロジェクトディレクター』の2名は、このようなマインドの方々と一緒に活動できる環境が待っています。

この記事や募集詳細を読まれて興味を持たれた方は、まちの“光”をつなげる・広げる“まちの演出家”としてさつま町へ是非飛び込みましょう。

『地域プロジェクトディレクター』に関する詳細はこちらから。

たくさんの応募をお待ちしています。

インタビュー・撮影・執筆:上 泰寿(編集者)
取材サポート:さつま町商工観光PR課


お問い合わせ
ご質問等は下記へお問い合わせください
さつま町商工観光PR課 観光PR係 担当:下麦
電話番号:0996-53-1111

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